キミと青空の下で





やっぱり幼稚園時代の飯田隆起は、目の前にいる飯田隆起なんだ…




考えていると、砂の山を隆起くんの手によって潰された。




「あぁっ!あたしの山がっ…」




「で、何なの?幼稚園がどうした?」




何でだろう、心臓がドキドキうるさいよ…




今だよね?幼稚園の頃を話せる時って…思い出してもらわなくちゃ…ね?




うるさい胸を抑えて、あたしは意を決して聞いた。




「あの…ね?あたしも、かなめ幼稚園なんだよ」




「まじでー?そうなんだ。俺サクラ組だった気がするー」




「…あたしもサクラ組だったよ。」




その時、笑っていた隆起くんの表情が止んだ。




…思い出してくれた??




隆起くんの顔が見れなくて、じっと潰れた砂の山を見つめる。




「もしかして…鈴丘奈緒って…鈴ちゃん?」




< 27 / 95 >

この作品をシェア

pagetop