キミと青空の下で
やっぱり幼稚園時代の飯田隆起は、目の前にいる飯田隆起なんだ…
考えていると、砂の山を隆起くんの手によって潰された。
「あぁっ!あたしの山がっ…」
「で、何なの?幼稚園がどうした?」
何でだろう、心臓がドキドキうるさいよ…
今だよね?幼稚園の頃を話せる時って…思い出してもらわなくちゃ…ね?
うるさい胸を抑えて、あたしは意を決して聞いた。
「あの…ね?あたしも、かなめ幼稚園なんだよ」
「まじでー?そうなんだ。俺サクラ組だった気がするー」
「…あたしもサクラ組だったよ。」
その時、笑っていた隆起くんの表情が止んだ。
…思い出してくれた??
隆起くんの顔が見れなくて、じっと潰れた砂の山を見つめる。
「もしかして…鈴丘奈緒って…鈴ちゃん?」