キミと青空の下で
半ば、皆が楽しそうに鉄棒遊びをしているのを見て泣きそうになる。
何であたしだけ出来ないのぉ?…
その場で座り込んだ時だった。
「どぉしたの?」
隣で声がして涙を浮かべる目で振り向くと、そこには同じ組の男の子。
名前は、"飯田隆起"
同じ青色の遊び着を着て、首を傾げながらあたしを見ていた。
この時初めて隆起くんに話しかけられたんだ…
しかもいつも遊んでいる時は、走り回って騒がしいのに…この時だけは静かな男の子。
幼稚園児だったから感情は上手く分らないけど、近くにお母さんがいるようなホッとする感情が溢れたのを今でも覚えている。
「…鉄棒出来ないの…皆出来るのにぃ」
「じゃぁ鈴ちゃんは特別なんだねぇ」
フフッと微笑む隆起くんに、あたしは頬に流れた涙を拭いた。
「とく…べつぅ?」