キミと青空の下で
やっぱり…いつも待ってくれている亜衣の姿がない。
あたしは走ってバス停まで急いだ。
「はぁ…はぁ…」
着いた頃には、もう既に隆起くんの姿がある。
待たせてたかなぁ?…なんて言える勇気もなくて、走って風で乱れた髪を整えた。
隆起くんは相変わらずかっこいい雰囲気がある。
…今日学校にあたしと隆起くんがいないと、女子達は驚くかな?
「めずらしいな、鈴丘が学校サボりたいなんて」
「あ…ははっ!たまにはね!」
作り笑いを見せると、隆起くんも見た目のわりに優しい笑いをかけてくれる。
しばらくしてバスが来ると、あたし達は乗り込んだ。
この前みたいに通勤する大人は多かったけど、何とか二人座れる席があって、そこにちょこんと座った。
バスを走らせて何十分…見覚えのある風景が窓に映った。
あの時の……海。