キミと青空の下で
「…え?」
「本当は知ってたんだ。鈴丘に、この前ここで幼稚園の時友達だったんだよって言われる前から」
あたしは黙って入道雲を見つめる。
「亜衣ちゃんと鈴丘が初めて俺と海斗に話しかけた時は、正直気づかなかったけどさ」
「…でも、教室で再会した時、担任がお前の事"鈴丘"って言った時、思った」
「"鈴丘奈緒だ"って。"あの時の鈴ちゃんだ"って」
返事が返せなかった。
隆起くんの方も見れなかった。
ただ空を見つめてた……だって顔を下げると、今目に溜まっている涙が出ちゃいそうで…
「それと、幼稚園の頃、鉄棒の時初めて鈴丘に話しかけたのも覚えてる」
「あれから多分仲良くなって、卒園してからは会う機会もなくて…」
「俺、小学校の頃親の転勤で引っ越さなきゃ行けなくて、中学になったら鈴丘に会えるかなって楽しみにしてたのに…」
「だけどまた戻ってきて、まさか転校初日に鈴丘に会えるなんて思ってもいなかった。」
どんどん話しを続ける隆起くんは、どんな表情をしているのか分からなかったけど…