キミと青空の下で





席に着くと、机の中は見事にカラッポ。




「何でだろう?」




そう思ってた時、亜衣が急に叫んだ。




「奈緒っ!これ奈緒のだよ!!」




指差した先は、教室のゴミ箱…まさかねぇ?




一瞬疑ったけど、あたしは気を取り直して亜衣の元に駆け寄る。




ゴミ箱には教科書やノートが捨てられてある。




よく見れば"鈴丘奈緒"とあたしの字で名前が書かれてあった。




「ひどい!!」




先に叫んだのは亜衣だ。




亜衣はゴミ箱からあたしの私物を全部拾うと、ホコリを手で払う。




だけどビリビリに破られている教科書やノートは使い物にならないくらい残酷な姿になっていた。




女子達は口々に『ひどい』『誰がやったの?』と呟いている。




後のクラスメイトの女子半分は、ヒソヒソと耳打ちしてるのが目に入った。





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