キミと青空の下で





隆起くんは、何度も謝ってくれた。




そしてあたしも何度も謝った。




突然現れたと思ったらすぐにあたしの心を奪ってしまう隆起くん。




「あぁ~、もう泣くな!!」




目元を袖で拭いてくれて、あたしの目をじっと見つめる。




「あたしは隆起くんが大好きだよ…何があっても嫌いになんかなれない」




「俺だって同じだ。鈴丘を嫌いに思った事なんかねぇんだよ」




真っ直ぐあたしを見てくれるキミの瞳は、すごくきれいで吸い込まれそうになるんだ。




「ねぇ、どうしてデートが嫌いって言ったの?あたしと二人になるのが嫌?」




恐る恐る聞いてみると、隆起くんはあたしの鼻をムギュッと摘んだ。




「んなわけない。俺、二人になると…って言うか、お前と二人になると俺が俺じゃなくなる気がするんだ。だからWデートの話も、弟に見られたら冷かされそうで怖くて」




そうだったんだ……




あたしは勘違いしてたの??









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