スマイル~君との約束~
「なんで今なんですか?
退院したら行けばいいじゃないですか」



そういったら、少し悲しそうな顔をした。



「退院したら・・・か」



「え?」




ちっちゃな声で、でも確かにそういった。



でも、すぐににこっと笑って



「いやー。俺が行きたいとこって
クレープ屋なんだ~」



「クレープ?」




「うん。1週間限定のクレープがこの辺で
売ってるって雑誌に書いてあったんだ~」




彼は、ポケットから雑誌の切れ端を出した。



そこには確かに「1週間限定」
と書いてあった。



「ね!お願い!」



彼は両手を顔の前に合わせて私に頼んできた。



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