スマイル~君との約束~
ーーー「桜へ。俺は、多分もうすぐ死ぬと思う。


その前に、桜に伝えたいことがあるんだ。


ガキのときに、俺はある女の子と出会った。その子のお母さんは俺の入院してる病院に入院していた。


その子は“お母さんが死んじゃうかもしれない”って泣いてた。


俺は、その子に約束したんだ・・・。俺が、君を笑顔にさせるって。約束するって・・・。その後、その子は笑ってくれたんだ。


俺は、その笑顔に恋をしたんだ。ガキの恋だって、皆は言うと思う。


だけど・・・俺は、その子に会わなくなったあともその子だけを想ってた。それで、また再会した。


そして、その子にまた恋をしたんだ。


桜、俺は桜に2度恋をしたんだ。だけど、最近は体調が悪化してきたみたいだ。副作用も出てきてさ、髪も抜け始めて吐き気もする。


なんかさ、実感しちゃったんだ。俺って、きっと死ぬんだなって・・・。


桜、ゴメンな。でも、出会えてよかった。明日、この手紙を渡すから・・・それで、ちゃんと決めるから・・・桜には笑顔でいて欲しい。だから、桜が決めて。桜、これからも俺は桜の笑顔が見たい。桜・・・笑顔を、見せて?          宮野祐介より。」












祐介・・・・。私も、祐介に2度目の恋をしてたんだね。












祐介・・・大好き・・・。












私は手紙を握り締めて涙を拭いた。













「祐介・・・私、笑うよ」















私はにこっと笑って空を見た。















「祐介に、笑顔を見せるからね・・・・。これからも、ずっと・・・笑ってる。」















ありがとう。祐介・・・・。














ーーー・・・















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