サルビアの妄言
視点:周
「さくっ....!!」
今日は冬樹さんがアメリカから帰国する日。
俺は、嫌になるほどリアルな夢を見た。
勿論、寝起きは最悪だ。
浅い溜め息を一つしてから上半身を起こして軽く伸びをすると、ベッドからゆっくりと降りた。
「お店の下準備...しとかないとな。」
頭が覚醒してきた頃思いたって、俺はクローゼットからお店用の服を取り出すと早速着替え始める。
寒くて自然と着替えるのが早くなったのか、着替えは思いの他あっという間だった。
ふと、白い棚に置かれている二つの写真たてが目に入る。
二つとも写真が見えないように倒されたままだ。
俺は白い棚に近づいて、そっとその二つをたて直す。
写真を見ると、一つは朔春がこちらに向かって花のように微笑んでいるもの、もうひとつは赤いサルビアの写真だった。
赤いサルビアの写真は、朔春と別れた日、ポストに入っていたものだ。
そんな事するのは朔春ぐらいだから、きっと朔春が入れたものに違いない。
本当は捨てようかとも考えたが、未練タラタラな俺には到底無理だった。
「さくっ....!!」
今日は冬樹さんがアメリカから帰国する日。
俺は、嫌になるほどリアルな夢を見た。
勿論、寝起きは最悪だ。
浅い溜め息を一つしてから上半身を起こして軽く伸びをすると、ベッドからゆっくりと降りた。
「お店の下準備...しとかないとな。」
頭が覚醒してきた頃思いたって、俺はクローゼットからお店用の服を取り出すと早速着替え始める。
寒くて自然と着替えるのが早くなったのか、着替えは思いの他あっという間だった。
ふと、白い棚に置かれている二つの写真たてが目に入る。
二つとも写真が見えないように倒されたままだ。
俺は白い棚に近づいて、そっとその二つをたて直す。
写真を見ると、一つは朔春がこちらに向かって花のように微笑んでいるもの、もうひとつは赤いサルビアの写真だった。
赤いサルビアの写真は、朔春と別れた日、ポストに入っていたものだ。
そんな事するのは朔春ぐらいだから、きっと朔春が入れたものに違いない。
本当は捨てようかとも考えたが、未練タラタラな俺には到底無理だった。