私たちの道標
本当に熱心な人だったから一生けん命にやってたわよ。
[絶対成功させるんだ]って。
そんなとき、同じ会社の堆嶋さんっていう人が手伝ってやるって言って仲良くなったの。
堆嶋さんは偉い人じゃなくて、いわば手下?のように使われていたって聞いたわ。
会社が嫌いだったみたいよ?
お母さんは、もっと真剣な表情になった。
それまでは、よかったの。
でも、堆嶋さんが[お金を貸してくれ]って言うようになっていった。
彼には、奥さんと息子さんがいたそうなんだけど家が貧乏だから助けてほしいって。
お父さんは、優しい人だったから貸したのよ。