私たちの道標
「櫻はえーよーー」

紗希と、或君が間に入ってくる。
櫻君・紗希・或君・あたしの順。
紗希はあたしと櫻君が並んで歩くのを見るのは嫌みたい。
でもこういうとき、或君は櫻君の隣に行きそうなのにあたしの隣に?
なんで?
・・・ま、いっか。

――屋上にて。

「着いたし、早く食ぉーぜ」
「そうだね」

なんか、初めて2人に会った時は或君とばっかり話してたのに、今は櫻君とばかり話してる気がする・・・。
4人は輪になって座る。

「おー、すごいね」

あたしが、お弁当のフタを開けたら櫻君が言った。

「弁当」

なんか櫻君の話す口調が変わってるような。

「そっ、そうかな?」
「うん。自分で作ったの?」

やっぱり、二人でしか話してない。

「うん」

そのあと小声で「お母さん、いつも疲れてるから・・・」って、言ってしまった。

「?」

首をかしげる櫻。

「なんでもないよ。食べよっか!」

ごまかすように言った。

「・・・そうだね!」


藍は、或が聞こえていたのを知らなかった。

みんなでパクパクと食べ始め、話はこれからの中学校生活の話になった。



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