団☆乱ラン
もう、ドキドキしまくりで
それでも、目が離せなくて─ドアの隙間から、ジッと見つめていた。
二ノ宮くんは、絶体絶命って感じで
……………。
イケメンっぽい人は、二ノ宮くんに顔を近づけていく
『ひゃぁ〜〜!?』
顎を持つ手をぐっと上げて
『う…そ…』
唇が今にも、二ノ宮くんの唇に触れるくらいの距離で………
「僕の“アドニス”カイラ……。」
って…そう聞こえた!?
確かに…“アドニス”って。
……………。
あたし…知ってる。
“アドニス”────
“美少年”っていう意味だって。
その後は、イケメンっぽい人は男性トイレへ
二ノ宮くんは
「先に行ってるから、ケン兄さん。」
フワッと笑って行ってしまって………。
……………。
残されたダンボなあたしの耳と頭には
“僕のアドニス…カイラ…”の声がぐるぐる反響していた。