団☆乱ラン
「はぁ…。」
やっぱり授業には集中出来なかった。
知らない間に一限、一限が過ぎて行って─気づけば、放課後。
吉田さんが聞いた噂は、腐女子仲間の間でまことしやかに広まっていたらしくて
真相を知りたい腐女子仲間に頼まれて
二ノ宮くんと仲のいいあたしに探りを入れたらしい。
結局、何も情報が仕入れられなくて吉田さんはガックリ落ち込んでいたけど───。
呆然とするあたしを見て
「須具利さん。人生色々だよ?落ち込まないでね。」
なんて、励ましの言葉をかけてきた。
……………。
吉田さんの優しさが痛くて………あたしはドッと疲れてしまった。
─夕飯作らなきゃ………帰ろう。
あたしが力無く、鞄を持ち立ち上がると──
校内放送が流れた。
『一年、須具利檸檬。今すぐ進路指導室へ来るように。』