団☆乱ラン






─進路指導室?



一年のあたしには全く関わり合いのない名前に首を傾げていると


クラスの中が一斉にざわついた。



『ね、あの声……』

『うん。まつ……』

『……だよね?』


…………。


ひそひそと話す声がする。


─なんなの?


「須具利さん。何かあったの?」

へ?


あまり、クラスで話したことの無い女子や男子まで


「おい。大丈夫かよ?」
「大丈夫?須具利さん。」

「まさか!須具利?!」

……………。
よくわからない声がかかる。


「うん?何も…無いと思うんだけど……。」


そう答えると更にクラス中がざわついた。


─いったい?なんなの?

「そっか……」

「ま、頑張れよ?」

「気をつけてね。」

「…お大事に。」



…………。

又、よくわからない声に見送られてあたしは教室を出た。


向かうは、2F 西の奥─“進路指導室”


廊下ですれ違う男女から、漏れる声が聞こえる。


『あ、あのこ』

『あ、ほら、あのこだよ』


あたしをチラチラ見てひそひそ言ってる。


……………。


なんなの?いったい……。
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