団☆乱ラン
「失礼します。」
ノックしてから、ドアを開けると……誰も見当たらない。
─あれ?ここでよかったんだよね?
首を傾げて、とりあえず中に入ってドアをしめた。
目の前には、応接用のソファーが小さなテーブルを挟んで向かい合って置いてある。
片側のソファーだけ、入り口からすぐ見えないように衝立が立ててあった。
…………。
衝立の横から、ソファーを覗き込むと、男の人が横たわっていて
…………。
「あの……。」
スースーと規則正しい寝息。
…………。
「あの。」
声をかけるも、全く反応が無い。
…………。
近づくと、サラサラのブラウンの髪が揺れて
…………。
頭のすぐ横で足を止めて、もう一度声をかけた。
「あの、須具利檸檬です。」
「……ん……──」
男の人は眉間にシワを寄せて、ウインクするように片目を開けた。
!!!?
ビックリした。
すごく、キレイな人だったから。