団☆乱ラン
「「檸檬ちゃんッ!!」」
ハモった者同士でバチッバチッと火花が散った。
「「俺たち、どっちが変態?」」
「は?」
いつの間にか、論点がズレたみたいで─いきなり尋ねられて面食らった。
「「ねぇ、どっち?」」
「……どっちでもいいんじゃない?」
ホントに、どっちでもいい。
「無意味な争いです。」
「「………。」」
ピシャリと言い切ったあたしのセリフに、唖然として顔の二人。
「「檸檬ちゃん……。」」
情け無い声でにじりよる二人に
慌てて部屋を飛び出した。
後ろから、“お前のせいだ!”“舐めていい?なんて聞くのが悪い!”って言い合う声がして
なんかイライラしてきた。
ハッ!!
─そうだ!!トンカツ!
こんな時は、肉たたきで叩きまくるに限る!
頭に、突然浮かんだ夕飯のメニューに血が騒いだ!
「おしっ!!叩いて叩いて叩きまくるぞー!!」
拳を握りしめて、校門を出ようとしたその時──
「ばーか?なにが?“叩きまくるぞー!!”だ?」
意地悪っぽく笑う声がした。