団☆乱ラン



何で、ここで母さんなんて出てくるの?



「二時間ほど前に家に電話してきてさ、“檸檬の一大事だ”つーうからさ。仕方なくだよ。」


物凄くめんどくさそうにそう言う静くん。


「……」


た、確かにさっきまで一大事であったけれど……そんなの母さんが知る訳ないし……


─……いや、でもあの母さんなら……いやいや、あり得ないよ。


腕を組んでぶつぶつ言うあたしを、バカにしたように見下している静くんが視界の端っこに入って……


「ち、違うッ!」


思わず言い訳をしようとしていた。


「ナニガ?」


シレッとした声で、続けて


「ばーか。」


って言われて……



腹ただしいのと恥ずかしいので真っ赤な顔で俯いた。



ぽんぽん!


「ウヒャ!?」


「プッ……ほら、行くぞ?」


「……。」


頭をぽんぽんされた……


おかしい。
妙に優しくて。


この後にきっとすごいどんでん返しが待っていて……又、イジメられるんだ。


そう思ったら、めちゃくちゃブルーになった。
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