団☆乱ラン


!!!!




左右を、マリーアントワネット?とルイ16世?に羽交い締めにされた!


正確には、コスプレをしたお爺さんとお婆さんだけど…


どう対処すればいいのか分からなくて体は金縛り状態。


目だけを何とか動かして“助けて!”アイコンタクトを静くんに向けたのに──


「ひぃーーーはっはっ!!」


……。


しゃがみ込んで笑っているし!?


─だ、誰か助けてっ!!




「…殿、奥様。檸檬様に嫌われますよ?」


凄く冷静なセバスチャンさんの声がした途端


飛び退くようにあたしから離れた二人は、まくし立てるようにあたしに向かって話しかけてきた。

「いや、これは違うんじゃ!!」


「そう、挨拶よ?スキンシップよ?誤解しないでね?大丈夫。このお爺さんちょっといきすぎるけど、害は無いのよ?」


「な!何じゃと?亭主のワシに向かって何という口の聞き方!」


「…あなた、檸檬ちゃんの前よ?ほら、吃驚してるじゃないの?」


「や、檸檬ちゃん?ワシは優しいから心配せんでもいいぞ?ほれ、お腹は減っておらんかのう?セバスチャン!」


「はい。静様、檸檬様こちらへ。」


「「静!?」」


吃驚した二人の声。


「お久しぶりです。お祖父様、お祖母様。」


!?

凄く冷静な声でニヤリと微笑んだ静くん。


「まあまあまあ!静くんいらっしゃい!会いたかったのよ?何年ぶりかしらね。」


ニコニコ顔のお婆さんに対して


「むむむむむむ……」


眉間にしわが寄りまくりのお爺さん。


何?この反応は?


って言うより!
“お祖父様、お祖母様”
ってどういうこと!?


「…静くん!どういうこと!?」


問い詰めるあたしの声に又凄く面倒くさそうに、

「ああ、母さんの親。」

そう言った。
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