団☆乱ラン
「あれ?静くんもカイラのこと知ってるの?」
静くんの隣から、松宮先生の脳天気な声がして
「カイラ?」
静くんの声音が変わった。
あれ?ってかんじの顔で静くんを見ていた松宮先生がニヤリと笑って、あたしを見つめてウインクした。
「……。」
「カイラって言うのは、僕の従兄弟で、アルションの跡継ぎなんだよ。」
静くんの眉がピクリと動く。
「あ、アルションはいいお店だよ?洋菓子もやってるベーカリーカフェ何だけどね。」
「………。」
「かなりの人気店で…あ!そう言えば、雑誌や、テレビでも紹介されるんだけど…………」
「うるさい。」
「え?」
「うるさいって、言ったんだよ。」
「………。」
「男のクセにペラペラ喋りやがって─俺は、檸檬に質問したんだ。お前には聞いてない。」
そう言って、チラリと横目で射るような視線を松宮先生に浴びせてから、静くんは又あたしを見据えた。
ドキンッ!
「檸檬。」
「カイラって誰だ?」
あああ…………。
二ノ宮君の命が、消えてしまうぅ。
か、神様ーーーーッ………