団☆乱ラン
「到着いたしました。」
あたしと静君を乗せたリムジンの車内に、セバスチャンの穏やかな声が響いた。
あんなにどたばたしたカエル御殿の出来事の後にも関わらず、セバスチャンは笑顔であたしの手をとってリムジンから降りるのをエスコートしてくれる。
「ありがとうございます。」
「セバスチャン、今度からは檸檬を連れ出すときは僕を通してからにするように。」
「!!ちょ!静くん!!」
静くんの上から目線の物言いに反論しようとしたのに
「申し訳ございません。静さま。」
セバスチャンはそう言って、静くんに向かって深々と頭を下げる。
「おうおう、ここか?セバスチャン?」
離れたところから聞こえたその声にセバスチャンの顔が凍りついた。
「!?と、殿!?」