団☆乱ラン
「なになに!?どうしたの!?あの母さんを言いくるめるなんて。しかも誰一人として被害もなしによ?...信じられない。きつねにつままれたみたいよ」


呆然と、母さんの後姿を目で追っていたあたしたちを代表するみたいに言って、お姉ちゃんが口元を手で押さえた。


「流石はセバスチャンだな。猿芝居しか脳のないじじいとは大違いだ」


嫌味たっぷりにそう言って静君がお祖父様を冷ややかに見つめる。


「セバスチャンはわしが見つけた逸材じゃ。わしが雇い主じゃ。..いわば、わしのお陰で助かったんじゃぞ?わしが見つけなかったら今ここにこやつはおらんのじゃからのう」


「はい。殿」


「うむ」


セバスチャンの返事に満足げにうなずくお祖父様。



「あ~~ん!!気になるーーう!ね、ねえ、セバスチャン?その檸檬の見合い相手、いったい何がだめなの?...瀬川って言ったらトップ企業よ?玉の輿じゃない!?」


「...花梨姉さん。ずいぶん嬉しそうだね?そんなに檸檬に見合いをさせたいんだ?」


「何?静、お姉様に喧嘩売ってるの?」


「...」


何言ってんのこの子?ばりのお姉ちゃんの声に、静君が黙り込む。



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