団☆乱ラン
何なの?
あたし、何か変な事言った!?
見上げると、隆兄がなぜか泣きそうな顔をしてあたしを見下ろしていて、
そんな顔をする隆兄が全くわからなくて---
「ふごふぃい~?」
「もういい。何もしゃべるな!」
「...」
泣きそうな顔なのに、言葉は有無を言わせない強さがあって---
それ以上何も言い返せない。
「檸檬ちゃんは何も悪くない!」
そう言ってあたしの前にやってきたお祖父様。
「ふぉふいいふぁふぁ...」
「なんじゃ?そうか!わしの屋敷で今日は泊まるじゃと?」
「!?」
「おおーー!!よしよし!セバスチャン!車じゃ!!」
「はい。殿」
「!?」
唖然とするあたしたちを他所に、片手を上げたセバスチャンの元へリムジンがすっと横付けされて
優雅な手つきでセバスチャンがドアを開けた。
「殿」
「うむ」
乗り込むお祖父様。
すぐにドアが閉まり、続くカタッという柔らかな音。
「それでは皆様、失礼いたします」
流れるようにおじぎをして助手席に乗り込むセバスチャン。
車内からガラスを叩くドンドンという音。
そのまま二台のリムジンは走り去った。