団☆乱ラン


--はあ...。


今日は、色々ありすぎた。


てんこ盛りって感じ。


-――初めて会った祖父母は...。


お父さんのおじいちゃん、おばあちゃんはあたしが生まれる前には亡くなっていたから、ずっとあたしにはおじいちゃんおばあちゃんなんて縁のないものだと思っていたけど-----


「...いたんだ、あたしにも----」


”檸檬ちゃん、あ~~ん”


「....」


出来れば、もっと早く会っていたならあの一言にも柔軟に対応出来たと思うのに...何で隠していたんだろう...。


「....」


---昔から、あんな服を着ていたんだろうか?


あんな、フリルたっぷりなドレス---。

やっぱり、特注なのかなあ...あんなフリル------。


「....」


---------。


頭によぎったのは、お祖母様のピンクのドレスなんかじゃなくて、アドニス姿の二ノ宮君だった。


「二ノ宮君....何で」


アドニスなの。


「はあー....」


ため息をつきながら、腰掛けていたベッドにドサッと倒れ込んだ。


胸の中がもやもやして…鼻の奥が痛い。


緩みそうな涙腺を押さえつけるように、枕に顔を埋めた。








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