団☆乱ラン
彼女と出会ったのは大学近くの駅のホームだった。
─────…
回送車両の強い風に煽られて、すぐ前にいた彼女の髪が僕の前でなびき、乱れて
髪を押さえようとする彼女の手──その指先に見とれていた───
足のつま先から脳天までの電気ショック受けたような痺れが走って、硬直したように動けなかった。
思えばあれがよく言う“ビビッときた”と言うものだったんだろう。
だから彼女が落とした定期入れを拾って、彼女が乗り込んだ電車のドアが閉まったのを確認してから
僕は手に持った定期入れをドア越しにこちらを向く彼女に向かって、ビシッと見せ付けていた。
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目に映る彼女の驚いた顔。
その顔に逆にこちらが驚いた。
あんなに綺麗に驚く人を初めて見たから。
◇◇◇◇◇
お父さん毬様、出会い編です。
しばらくお付き合いくださいませ。
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