団☆乱ラン
柔らかな物腰。
耳に心地良く、滑舌のはっきりした話し方。
そして、男の色気が嫌みなく漂っていて──
容姿どうとかの問題じゃない──確かに顔はいいけれど…僕ほど美しいわけではない。なのに──彼から…目が離せない。
初めて、同性に感じた気持ちだった。
かっこいい……
きっと彼といれば、心地よいいい時間を与えてくれる…それがひしひしと伝わってくる。
なぜそんな風に感じたのかは、わからない。
だけど僕は、目の前の彼に一目で虜になった。
「失礼致しました。わたくし、竹田要(たけだかなめ)と申します」
その声に酔わされたように、ただ、ぼんやりとその人を見つめていた。