団☆乱ラン



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「出会った頃から、本当に美しい人だからね」



「父さんは母さん以上に綺麗な女性には会った事がないよ」



「それは、さておき…」



「母さんの家、跡継ぎがいなくてな。一人娘の母さんを父さんがもらったから─父さんをよく思っていない、と言うかかなり嫌われている」



「それは仕方ないけど、跡継ぎの件ではかなりな遠縁の話も出てきていて─お祖母さんと母さんの後押しで、“静が跡継ぎに決まったんだ”」



「静は小さい頃からそれ相応の教育を受けている─」



「じゃ、じゃあさ、静君が頭いいのはそのせいなんだ?」



身を乗り出すように爽君が父さんに聞いてきて─



「俺は元々頭いいんだよ」



静君が一笑して答えた。



「ああ、あれだね、秀才系じゃなく天才系ってことだな」


なるほどね〜なんて頷く爽君。



「そんな何系なんて言ってる時点でやはりお前はダメだな」


一言そう言って、箸で摘まんだだし巻きを口に入れた。


(………)


本当に嫌みを言わせたら我が家では右に出るものはいない。


的を射すぎていて、言い返せないもの。



「なあに?あたしを差し置いて、朝から家族会議?」



聞き慣れた声にその場の空気がガラッと変わった。



「あ、か、母さんおはよう──」


「おはよ〜檸檬ちゃん〜」



(………)



朝から妙なテンションの母。



毬様御起床である。



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