団☆乱ラン
「でもさぁ?いつかは檸檬だって、お嫁に行くよねぇ?………アッハッハ!!」
「なっ!?母さんッ!!」
KYな母さんの余計な一言で風向きが一気にあたしに向かって流れ出した。
「れ、檸檬……嫁に行くの?」
爽くんの大きな目から、涙がポロッと流れて、弱いあたしの心は、キュンってなってしまう。
爽くんにおもわず歩み寄ろうとした時─
「れ、れ、檸檬…ず、ずっと一緒だって誓ったはずじゃ…な、なかったのか?」
静くんのうわずった声……いつも、沈着冷静な静くんが焦っている。
持っていた箸をポロッと落とした。
「あたしは、檸檬について行くわよ?モチ、マコトもね!」
お姉ちゃんがあたしの腕を握りしめる。
…いや、それはムリでしょう?
「俺は、断固反対だ!!」
隆兄の大きな声がキッチンに響く。
「俺は、見合いもしねぇし、檸檬は嫁に行かねぇ…いや、俺の目が黒いうちは嫁になんか行かせねぇよ?」
隆兄は拳を握り、アツク語った。
………。
「ばーか!!…恋は盲目って言うんだよ!檸檬だって、そりゃ一回ぐらい嫁にだって行くよねぇ?」
兄さん達にKYな母さんの突っ込みがはいる。
それはあたしだってお嫁に………
「て、母さん!!一回ってなによ!一回って!!」
「そうだそうだ檸檬が出戻りなんてありえねぇだろが!!」
「一回って、0回に決まってんだろーが!」
「「「「「行くわけねぇんだから出戻りなんてあり得ねぇッ!!!!」」」」」
………ハモった。
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