Short Lovers
◆◆◆
――放課後。
「あぁぁー!!」
「ど、どうしたのユリ!υ」
「?」
わたしが職員室から戻ると、教室掃除のユリが、ほうきを片手にフリーズしていた。
「今日まーくんとデート‥」
今にも泣きそうにイライラしながらほうきを見つめるユリ。
ナオミは知らんぷりして口笛を吹きはじめた。
そういえば、ナオミは部活の公式戦が近いらしい。
ユリの班には中村っていう煩い男子がいて、掃除しなきゃ先生にチクるらしい。
「‥‥わたし今日何もないし
変わってあげる!」
「え!?でも泰介くんは?」
泰介もわたしも、家がちょっと遠いから、いつからか一緒に登下校するのが当たり前みたいになっている。