Short Lovers


手を掴んじゃったのは、もしかしてこの人なら、わたしの気持ちをわかってくれるかもと思ったから。

それは、タイスケ君が
わたしみたいに、見た目で判断されちゃうような見た目だったから。


サヤカは『贅沢な悩み』って
ため息をつくけど、わたしは本当に悩んでるのだ。



ハッ!



「あ、いや、間違えました!
 彼氏じゃなくて……」


慌てて弁解する。


「わたしは別に、タイスケ君
 の事が好きなわけじゃ
 なくって……!」


これじゃ失礼だわ!



「まっ、ち、違うんです
 すきっていうか…
 よく知らないし、違くて

 え?いや、あの………」



これじゃだめじゃん!

全然清楚じゃないし、
全然普通に不審者じゃん!


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