Short Lovers
◆
次の日。
「たーいすーけくーん」
タイスケ君の教室に遊びに来ちゃったわたし。
なんだかわたし、タイスケ君のことが好きみたい。
「なにしてんの」
「あれ?タメ口?」
いかにも嫌そうな顔でわたしの方にやってくる。
ここじゃわたしが目立つから、場所を中等部と高等部を繋ぐ廊下に移動した。
それで。
……タイスケ君は、わたしの話を受けることにしたらしい。
「え、いいの?」
「……まぁ。フリなら」
前髪をくしゃっと握りながらそう言ったこの人に、わたしは身を乗り出す。
どうやらこれは、多分、困ったときの彼のクセらしい。
(困ったときよくするから)
「ありがとう!」
「こちらこそ」
わけがわからずキョトンとするわたしに、悪戯っぽくタイスケ君が微笑む。
「俺も、先輩のこと
利用させてもらいますから」