Short Lovers
◆
とりあえず、あそこで話すのもなんだから、人気のない場所にユカちゃんを呼び出した。
……それで一番に思い浮かんだのが校舎裏。
(わたしも頭堅いなぁ…)
思わず苦笑いしながら
ユカちゃんに謝る。
「急にごめんね」
「‥‥平気です」
大きな瞳を曇らせて、今にも泣きそうな顔をするユカちゃん。
別に、しばくとかそうゆうんじゃないんだけどな……υ
やっぱりわたし、
初対面だと印象悪いのかな?
軽くへこむ。
とりあえず、ユカちゃんの出しまくりな警戒心をとこうと、
わたしは努めてにこやかに自己紹介をすることにした。
初めてタイスケ君と
会ったときみたいに―――。
「あのね、三年の浦山愛理
っていうんだけど――」
「知ってます!」
即答で勢いよく返ってきた返事に、驚いて肩をビクつかせる。
知ってるって……なんで?υ