Short Lovers


だって、あまりに可愛いくて。

期待を裏切らない、タイスケ君の不器用ぶりが可笑しくって。

やっぱり、すれ違いしてるし。



ユカちゃんは気づいてない。

タイスケ君が、どんなにユカちゃんにゾッコンかなんて。



「ずっと、ずっと
 一緒だったのにっ」



幼なじみとかかな?

だから二人はこんなにも似てるんだ、と一人勝手に納得した。


顔をくしゃくしゃにしながら、瞳を揺らしながら、まっすぐわたしを見て話すユカちゃんは、『妹』というより『チワワ』みたいで。

ほほえましくて、つい。



「いやです‥‥っ
 いやなんですっ
 モヤモヤするんです

 お願い、浦山先輩っ

 タイスケをとらないで‥‥」



ばかだなぁ…。

最初から。

タイスケ君は、
わたしの知る限り


初めから―――、


ほら。


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