Short Lovers
その指は、タイスケ君とは違って、ひんやりしてた。
でもそれが、ほてったわたしのほっぺたには調度いいように思えた。
「浦山の外見は、
俺の好みとは違う」
ハッキリ言う津賀君の言葉に、わたしが傷つくことはなくて。
「なのにこんなに好きで
自分でも
どうしたらいいのか
わかんない」
「つ、つがく……」
「もっと知りたいよ
浦山のことが」
なんだかほわほわして
涙がとまらない。
「俺、浦山がすき」
津賀君がわたしを引き寄せた。わたしは、爽やかな甘いにおいに包まれて、目を閉じた。
津賀君の心臓は
トクン トクンと一定のリズムで動いていて、それが乱れることはなかった。
だけど、わたしの心音は
それとは違って煩くて。
『すき』をこんなに
嬉しく感じたのは初めてだ。