Short Lovers
「始めのうちは
優しかったし
嬉しそうにしてた」
「タイスケくんが
嬉しそうに……」
クールな彼から想像できなかったんだろう、ナオミが無意識的に復唱した。
「うん。だけどわたしが
あまりにひどいから……
最近はため息つくの。
『はぁ』みたいに。
それで頭をポンポンって
軽く叩いて……おしまい」
切なげに呟かれた『おしまい』のフレーズに、今までは何か嬉しい出来事がありました的なニオイがぷんぷんしたけど、わたし達はあえてそこにはふれなかった。
今大事なのはそこじゃないって判断をしたから。
「それは……」
「それで、実際会いに
行ったことはまだ
ないんだよね?」
『どうしよう…』と言いかけてナオミの意見を聞いてドキッとした。
今のわたしは黙ってた方がよさそう。悲観的なアドバイスしかできなさそうだから……。
せっかく頼ってくれたのに、ユカに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
些細なことで落ち込むこの神経本気でどうにかしたいよ。
「うん、でもね」
「ユカねぇ、まず一旦その
『でも だって だけど』
止めて考えなさい」
お母さんみたいにナオミが言うと、ユカがハッとして背筋を伸ばした。
「いい、今からあたしの
いうとうりにしなね」
「は、はい」