Short Lovers
「菜緒実ーっ
これ食べてみて!」
「‥‥どしたの?
ボーッとしちゃって」
親友のユリとユカは、可愛い。そして恋愛すると尚可愛い。
まさしくの『女の子』だ。
「いや、なんでもない…」
いただくよ、と口に運んだのはユリに差し出された、新発売のお菓子。
濃厚なチョコの味が、口の中に広がる。
ぶっちゃけ甘党のあたしには、ちょっと苦い。
「苦い」
(思ったままを口にしてしまうのもモテない理由のひとつ?)
ユリが頬を膨らませた。
「ぷっ、あははは!」
「うそ!おこちゃま~っ」
…だけど、ユカが笑ってくれるから。
どんなにきついあたしの台詞もユカの笑顔一つで調和される。
あたしは、たまに思う。
あたしは、この二人の引立て役なんじゃないか とか。
ただ素朴に思うこと。
だけど少し胸が痛い。
二人といると、あたしは平等な扱いをされてない気分になる。
自分がものすごい
不細工に思えて仕方なくなる。