月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
塗られた毒
達郎は眉をひそめた。
「もしかしてうちの学校で起きた事件のこと?」
「その通りだ」
「なんかそんな予感はしてたんだ」
「察しがいいな」
「兄さんの班が捜査担当してるって、婆ちゃんが言ってたから」
「それなら話は早いな」
先月のことである。
達郎の通う私立S高校で奇妙な事件が起きた。
事件に関わったのは、いずれも3年生の男子生徒4人。
生徒たちは放課後にバスケをした後、校内の自動販売機にて同じジュースを買った。
各々がジュースを手に取り、口をつけた次の瞬間、4人のうちのひとりがジュースを吐き出した。
男子生徒は吐き気を訴え、すぐに病院に搬送された。
幸い大事には至らず、入院は一晩だけで済んだ。
学校と病院からの通報を受け、警察が調べたところ、ジュースの缶の飲み口からニコチンが検出された。
何者かがジュースの飲み口にニコチンを塗ったのは明白だった。
「もしかしてうちの学校で起きた事件のこと?」
「その通りだ」
「なんかそんな予感はしてたんだ」
「察しがいいな」
「兄さんの班が捜査担当してるって、婆ちゃんが言ってたから」
「それなら話は早いな」
先月のことである。
達郎の通う私立S高校で奇妙な事件が起きた。
事件に関わったのは、いずれも3年生の男子生徒4人。
生徒たちは放課後にバスケをした後、校内の自動販売機にて同じジュースを買った。
各々がジュースを手に取り、口をつけた次の瞬間、4人のうちのひとりがジュースを吐き出した。
男子生徒は吐き気を訴え、すぐに病院に搬送された。
幸い大事には至らず、入院は一晩だけで済んだ。
学校と病院からの通報を受け、警察が調べたところ、ジュースの缶の飲み口からニコチンが検出された。
何者かがジュースの飲み口にニコチンを塗ったのは明白だった。