月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
文書で了解をとるような内容ではない。
プライベートで、家族としてでなければ、できない相談だ。
「で、父さんはなんて言ってたの?」
「やらせてみろってさ」
秀昭の口調はどこか楽しげだった。
「オレより上手くやるかもしれないって言ってたな」
「なにを根拠に」
達郎はあきれ返った様子で言った。
無理もない。
父も兄も、15歳の少年に捜査の手伝いをさせようとしているのだから。
「まぁそう言うなよ。父さんには人を見る目があるんだ。きっとお前の才能を見抜いて言ったんだと思うぞ」
『人を見る目ね…』
心の奥底で釈然としないつぶやきをもらした達郎に、秀昭はこう言葉を続けた。
「なんせオレらの母さんを見初めた人なんだからな」
プライベートで、家族としてでなければ、できない相談だ。
「で、父さんはなんて言ってたの?」
「やらせてみろってさ」
秀昭の口調はどこか楽しげだった。
「オレより上手くやるかもしれないって言ってたな」
「なにを根拠に」
達郎はあきれ返った様子で言った。
無理もない。
父も兄も、15歳の少年に捜査の手伝いをさせようとしているのだから。
「まぁそう言うなよ。父さんには人を見る目があるんだ。きっとお前の才能を見抜いて言ったんだと思うぞ」
『人を見る目ね…』
心の奥底で釈然としないつぶやきをもらした達郎に、秀昭はこう言葉を続けた。
「なんせオレらの母さんを見初めた人なんだからな」