月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
由美は首を振った。
「エリートって、もうちょっと大人かと思ってたけど、プライド高いだけでダメね。あたし好みじゃないわ」
由美は大人の男性に憧れるているという、自分自身の子供じみた考えには、気付いてないようだ。
そう考えたら達郎は妙に微笑ましい気持ちになった。
「あ、今の笑顔いい!」
由美がはしゃいだ声で言った。
「笑顔?」
どうやら知らないうちに笑顔になってたらしい。
「なんか大人の笑顔って感じ!ね、もう一回笑って、達郎くん!」
笑ってと言われてもそれは無理な注文だ。
しかし由美の顔は、どんどん近付いてくる。
気付けば呼び名も「月見くん」から「達郎くん」に変わっていた。
とりあえず目の前のものに集中しよう。
達郎はそう決めると由美から顔をそらし、手にしていたバナナクレープにかぶりついた。
「エリートって、もうちょっと大人かと思ってたけど、プライド高いだけでダメね。あたし好みじゃないわ」
由美は大人の男性に憧れるているという、自分自身の子供じみた考えには、気付いてないようだ。
そう考えたら達郎は妙に微笑ましい気持ちになった。
「あ、今の笑顔いい!」
由美がはしゃいだ声で言った。
「笑顔?」
どうやら知らないうちに笑顔になってたらしい。
「なんか大人の笑顔って感じ!ね、もう一回笑って、達郎くん!」
笑ってと言われてもそれは無理な注文だ。
しかし由美の顔は、どんどん近付いてくる。
気付けば呼び名も「月見くん」から「達郎くん」に変わっていた。
とりあえず目の前のものに集中しよう。
達郎はそう決めると由美から顔をそらし、手にしていたバナナクレープにかぶりついた。