月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
「クレープ美味しかったね」
由美は笑顔で言った。
2人はベンチから立ち上がり、池のほとりの柵に体を預けていた。
「これからどこに行こうか?」
由美の声は弾む一方。
いつも清楚な自分を演じている分、今日はのびのびとしているのだろうか。
そう思った達郎は、なぜ自分には素で接触してきたのか訊いた。
すると由美は年下に興味を持ったのは初めてだったからと答えた。
「年下相手だから、変に作ってくよりも、素でいった方がいいかなーなんて思ったのよ」
とどのつまりは気まぐれということか。
「でもなぜ、普段は演じているんですか」
「もう堅苦しいから敬語はやめてよ達郎くん」
由美はそう言いながら
「母親がうるさくてね」
「うるさい?」
「ほらうちの母親って、世間に顔が出る機会が多いじゃない。だからイメージとか世間体を大切にするわけよ」
イメージと世間体は、母親がよく口にする言葉だと由美は笑った。
由美は笑顔で言った。
2人はベンチから立ち上がり、池のほとりの柵に体を預けていた。
「これからどこに行こうか?」
由美の声は弾む一方。
いつも清楚な自分を演じている分、今日はのびのびとしているのだろうか。
そう思った達郎は、なぜ自分には素で接触してきたのか訊いた。
すると由美は年下に興味を持ったのは初めてだったからと答えた。
「年下相手だから、変に作ってくよりも、素でいった方がいいかなーなんて思ったのよ」
とどのつまりは気まぐれということか。
「でもなぜ、普段は演じているんですか」
「もう堅苦しいから敬語はやめてよ達郎くん」
由美はそう言いながら
「母親がうるさくてね」
「うるさい?」
「ほらうちの母親って、世間に顔が出る機会が多いじゃない。だからイメージとか世間体を大切にするわけよ」
イメージと世間体は、母親がよく口にする言葉だと由美は笑った。