月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
拍手に照れ笑いを浮かべる麗美に、達郎は服をはたきながら歩み寄った。
「別に御礼なんていいけどね」
麗美は茫然と立ちつくしている由美に視線をやった。
「あなた大丈夫?ケガはない?」
髪をかき上げながら麗美は言う。
「素敵…」
そうつぶやいた由美の瞳は潤んでいた。
「素敵っ!」
そう言って由美が飛びついたのは、達郎ではなく麗美の方だった。
「な、なに!?」
いきなり抱きつかれ、うろたえる麗美。
由美は瞳を潤ませたまま言った。
「素敵です、お姉さま!!」
「お姉さまァ!?」
当然の如く、麗美は目を丸くした。
「はい、お姉さま!あたし、貴女に一目惚れしてしまいました!」
由美のテンションはおさまる気配がない。逆に上がっていく一方だ。
周囲にろくな男がいないと、女性は同性に対して憧憬の念を抱くものなのかと、達郎は冷静に分析してみた。
「別に御礼なんていいけどね」
麗美は茫然と立ちつくしている由美に視線をやった。
「あなた大丈夫?ケガはない?」
髪をかき上げながら麗美は言う。
「素敵…」
そうつぶやいた由美の瞳は潤んでいた。
「素敵っ!」
そう言って由美が飛びついたのは、達郎ではなく麗美の方だった。
「な、なに!?」
いきなり抱きつかれ、うろたえる麗美。
由美は瞳を潤ませたまま言った。
「素敵です、お姉さま!!」
「お姉さまァ!?」
当然の如く、麗美は目を丸くした。
「はい、お姉さま!あたし、貴女に一目惚れしてしまいました!」
由美のテンションはおさまる気配がない。逆に上がっていく一方だ。
周囲にろくな男がいないと、女性は同性に対して憧憬の念を抱くものなのかと、達郎は冷静に分析してみた。