月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
最初の解決
「僕が犯人だというのかい?」
江川は穏やかな口調で言った。
「犯行に使われたジュースは、事件当日に食堂の自販機から出てきたものではありませんでした」
つまりあらかじめ用意されていたもの。
「事件直前の状況から考えると、他の3人の先輩方はあの場でジュースをすり替えなくてはいけません。しかし僕が知る限り、それは不可能です。では誰か?江川先輩しかいないんです」
「君はいろいろ知ってるようだね。でもなぜ僕が毒を?」
「江川先輩は、馬場先輩と確執があったそうですね?」
「確執なんて大袈裟なものじゃないよ。ただ単に反りが合わないだけさ」
「でもそのおかげで最初はずいぶん悩みました。なにせ馬場先輩が飲んだジュースは江川先輩が渡したものではなかったですから」
「ああ、由美からいろいろ聞いたんだね」
「はい」
「他には何を?」
江川は穏やかな口調で言った。
「犯行に使われたジュースは、事件当日に食堂の自販機から出てきたものではありませんでした」
つまりあらかじめ用意されていたもの。
「事件直前の状況から考えると、他の3人の先輩方はあの場でジュースをすり替えなくてはいけません。しかし僕が知る限り、それは不可能です。では誰か?江川先輩しかいないんです」
「君はいろいろ知ってるようだね。でもなぜ僕が毒を?」
「江川先輩は、馬場先輩と確執があったそうですね?」
「確執なんて大袈裟なものじゃないよ。ただ単に反りが合わないだけさ」
「でもそのおかげで最初はずいぶん悩みました。なにせ馬場先輩が飲んだジュースは江川先輩が渡したものではなかったですから」
「ああ、由美からいろいろ聞いたんだね」
「はい」
「他には何を?」