月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
「フリースローに負けるのはいつも江川先輩だったこと、おごるジュースは毎回同じものだったこと、ジュースはどの順番で渡すか等、佐伯先輩はどれも細かく覚えていてくれました」
「頭がいいからね、彼女は」
江川は皮肉めいた口調で言った。
「それに…」
「江川先輩」
何か言いかけた江川を、達郎の声が止めた。
「先輩はわざとフリースローに負けていましたね?」
江川は無言だった。
「それはなんのためか?いつも同じジュースを同じ順番で渡すためです」
最初に馬場、次に椎名、そして最後に天堂。
江川はいつもこの順番でジュースを渡していた。
「江川先輩」
沈黙を続ける江川に達郎は呼び掛けた。
「先輩が狙ったのは、馬場先輩ではなく、天堂先輩ですね」
しばしの沈黙が続いた後、江川は絞り出すように言った。
「…理由は(わけ)は?」
「理由は佐伯先輩の存在ですよ」
「いったい彼女から何を聞いた?」
江川の唇が歪んだ。
「頭がいいからね、彼女は」
江川は皮肉めいた口調で言った。
「それに…」
「江川先輩」
何か言いかけた江川を、達郎の声が止めた。
「先輩はわざとフリースローに負けていましたね?」
江川は無言だった。
「それはなんのためか?いつも同じジュースを同じ順番で渡すためです」
最初に馬場、次に椎名、そして最後に天堂。
江川はいつもこの順番でジュースを渡していた。
「江川先輩」
沈黙を続ける江川に達郎は呼び掛けた。
「先輩が狙ったのは、馬場先輩ではなく、天堂先輩ですね」
しばしの沈黙が続いた後、江川は絞り出すように言った。
「…理由は(わけ)は?」
「理由は佐伯先輩の存在ですよ」
「いったい彼女から何を聞いた?」
江川の唇が歪んだ。