月と太陽の事件簿10/争いの樹の下で
そしてそれ以後、江川はわざとフリースローに負けるようになった。
そして毒を塗ったジュースを天堂に渡す方法を探った。
「まず馬場先輩に真っ先にジュースを渡す。そして左手に2本、右手に1本ジュースを持ち、椎名先輩に両手を差し出す」
達郎が仕草を交えながら説明するのを、江川はじっと聞いていた。
「そこで江川先輩は、椎名先輩が取りやすい右手からジュースを受け取ることを知ったんです」
そして事件当日、馬場と椎名にジュースを手渡した江川は、左右に1本ずつジュースを持って、天堂に両手を差し出した。
「君の言う事には無理がある」
江川は沈黙を破った。
「天堂にジュースを差し出すまでは君の言う通りだとしよう。しかし、天堂が毒を塗ったジュースを受け取るという保証がどこにある?」
2本のジュースを差し出したところで、毒を塗った方を受け取らねば意味がない。
しかし達郎は平然とした顔で言った。
そして毒を塗ったジュースを天堂に渡す方法を探った。
「まず馬場先輩に真っ先にジュースを渡す。そして左手に2本、右手に1本ジュースを持ち、椎名先輩に両手を差し出す」
達郎が仕草を交えながら説明するのを、江川はじっと聞いていた。
「そこで江川先輩は、椎名先輩が取りやすい右手からジュースを受け取ることを知ったんです」
そして事件当日、馬場と椎名にジュースを手渡した江川は、左右に1本ずつジュースを持って、天堂に両手を差し出した。
「君の言う事には無理がある」
江川は沈黙を破った。
「天堂にジュースを差し出すまでは君の言う通りだとしよう。しかし、天堂が毒を塗ったジュースを受け取るという保証がどこにある?」
2本のジュースを差し出したところで、毒を塗った方を受け取らねば意味がない。
しかし達郎は平然とした顔で言った。