となりの席の上田くん。


―――――…


「着いたけど。」



はっと気づくと
右隣りに座っていたはずの上田くんは
いつの間にか車から降りて
私のドアを開けてくれていた。

慌てて降りると、
そこは学校から徒歩20分くらいのところにあるマンションの真ん前で。


………ここが"新居"?


高校生が二人暮らしするには
もったいないくらい
素敵なマンション。



………ってかおい!!奈子!!
何ちゃっかり暮らす気でいるんだよ!!

ここで暮らすってことは
上田くんとひとつ屋根の下で
生活するってことよ!?

結婚を前提にってことよ!?

そんなのおかしいわ!!


さぁ、いますぐ
『私もう帰る!』っていうのよ!!



「入って。」

「お、おじゃましまーす…」

「自分の家だろ。」

「あ、そっか。」


………ってバカ!!



.
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