となりの席の上田くん。
うん、うんと座ったまま頷いていると
先程舜が入っていった部屋の扉が
カチャッと開く音がして、
慌てて立ち上がった。
「待たせて悪い。」
そう言いながら出てきたのは
白いTシャツにダークグレーのベスト、
細身のジーンズに身を包んだ舜。
金髪より、
今のチョコレート色の髪のほうが
やっぱり似合っていて――――。
「――――どうした?」
「へっ!?あ、いや、別に!?
早くいこっ!!」
やばいやばい。
見とれてたとか、やばい。
再び赤く染まりかけた顔を
ぶんぶん降って、
玄関に駆け出した私は
舜が"アイツ、腹減りすぎて
おかしくなったか?"なんて
呟いていたことなんか知らない。
.