となりの席の上田くん。



私の質問に、
舜はコクリと頷いて見せる。




「だって、
誕生日プレゼントだから。」



――そう。
ペリドットは私の誕生石。


「…今日が誕生日って、知ってたの?」



「まあ…ねえ?」



きっと、ご両親に
聞いてたんだとは思う。

てか、それしか
考えられないし。


私じゃない人が
婚約者だったとしても
きっと舜は同じことを
したんだと思うけど。


でも………


「誕生日おめでと。」


「……ありがと。」



胸の奥のほうがふわっと
あったかくなって
たったこれだけのことなのに
なぜだか泣きたい気持ちになった。



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