給食と弁当
ギャアギャアと無駄にうるさい校庭。


そして反対に水を打ったように静かなこの場所。


……いつもならおかずの取り合いにうっさいのに。


やけに静かなあいつにちょっと不安を抱いてしまった。


『ねぇちょっと。』

『…………。』


『ねぇ!?』









『お前は覚えてるか?』


『へ?……』


『俺達が初めて話した時の事。』


真剣な眼差しで問いかけるあいつ。

『えっと……


確か、あんたが転校してきたのが、』

『小3の夏。


その頃からてめえは変わってないな。』


『………うん。』


確かにね?


あの時のあたしは今も相変わらず、ここにいる。


だけど、あんたが知らないだけなんだよ。


『……昔はいじめられてた。』


『え?』


『人見知りが激しかったの、昔は。


だから小2の頃、少し苛められてた。』


『そんな……。』


『でももう仲直りしたよ。


あんたが転校してきたぐらいに自分の性格を改めたし。』


そう、あれからあたしは変わった。


満足に友達はいるし、特に学校生活には支障がない。


< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop