給食と弁当
見れば教室にいるのは彼だけで、


彼の机には、食べ掛けの給食が残ってた。


『……嫌いなの?』


ビクッと驚いた表情で見つめるあいつ。


『……ああ。』


『何?


もしかしてサラダとか?』


と何気に減ったようすのないサラダを指差した。

『……サラダなんか嫌いだ。』



とあいつは苦々しそうに言った。

『だから“好きな物だけ食べてればいい”って言ったのに……。』


『あぁ~!!

それ言っちゃいけないよ!!』


『何で?』


だってね……


『先生の家、お弁当屋さんなの。

幼稚園とかにも運ばれてて食に対してはかなり厳しいわけ。』


『……なるほどな。』

ま、転校してきたばっかりだから分かんないか。


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