キミの隣には。
友情

変わらぬ立場

4月中旬。

噂の子が来るという話が、学年中に響き渡っている。
噂の子・・・ そう、転入生。

それは、女子で髪の毛がゆるふわヘアーで、美人でオシャレな人と聞いている。



「誰だろうね。トモダチになる?」
「なる!絶対。」
と、女子は早くもトモダチ希望をしていた。

・・・どんな子なんだろう。
私も若干、気になっていた。




4階、2年B組の教室前に立つと、いつもどおり重たいドアを開けると、教室には輪飾りが沢山壁に貼ってあった。


今日は、転校生が来る日。
机は横に置かれ、黒板には「ようこそ」、黒板の前には転入生のいす、そして私たち生徒のいすは円形に並べられていた。

すると、横から「トモ!」という声がかかってきた。

その子は、私の大親友のマリエ。マリエは、かわいくてオシャレで頭がよくて、ちょっとおしゃべりで、モデル活動をしている、私の自慢の出来る友達。



そして、マリエと20分間ぐらいしゃべってると、学級委員が「座ってください。クラッカーを鳴らす子は前へどうぞ。」といった。
すると、クラッカーを鳴らす子たちがゾロゾロと前に立つ。

廊下から歩く音がすると、みんなは「きた!」といって、静まる。

ガラッとドアをあけたのは--------- ・・・

「し、時雨唯といいます。」

その子の名前は時雨唯。
噂どおり、ゆるふわヘアーで美人でオシャレだった。


しかも、着ている物は全部ブランド物や芸能人が着たといわれている服。
みためからして、お金持ちだった。


クラッカーを鳴らす人は、呆然として、クラッカーを落としてしまった。
学級委員も呆然としていた。






しばらくして、自己紹介が始まった。
最初の人が「名前は―」から始めた。

しばらく時間があったから、となりのマイと昨日のテレビ番組について話していた。
すると、
「笹凪智美さん、自己紹介を始めてください。」
と、順番が来た。

私は、パニックになって思わずたちあがってしまって、おまけに「ふぇっ??!」などという意味のわからない言葉まで発言してしまった。

教室は私の言葉によって笑いに包まれた。
転入生も笑っていた。



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