電光石火×一騎当千
「あ、あの──お二人はひょっとして、『一騎当千』のタイホウさんと、『電光石火』のカミナルさんだったり……します?」
コハルと名乗った少女は、二人を案内して山道を歩きながらそんな質問をしてきた。
「するね」
「わあお! 凄ぉい! 本物だ!」
男が頷くと、コハルは瞳をきらきらと輝かせた。
「へえ。キミ、俺たちのこと知ってるんだ」
「そりゃ知ってますよ! 『一騎当千』のタイホウさんでしょ。戦場で、たった一人で千以上の兵を薙ぎ払うっていう。
さっきの、見てたんですけど……あれが『剣術使い』の技ですよね?
神通力なんてあたし、初めてナマで見ました!」
『一騎当千』のタイホウ。
コハルの言うとおり、それがこの銀髪紅眼の若者の名である。
先刻見せた彼の神通力──空間を裂き離れた敵を斬り伏せる力には、理論上防ぐ方法が存在しない。
いかなる剣でも捌くことができず、
いかなる防具でも防御不可能。
しかも複数の敵を一度に薙ぎ払える彼の力は、戦場において絶大なる効果を発揮し、
故に彼は『一騎当千』の二つ名で呼ばれている。
「タイホウさんが、こんなに若くてカッコイイ男の方だったなんて知らなかったですけど」
そう言って、ぽっと頬を赤く染めるコハルを見て、タイホウは嬉しそうなニヤニヤ笑いになる。
「そ、それに、目にも留まらぬ高速の剣の使い手『電光石火』のカミナルさん」
コハルは、二人の後を黙々と歩いている女剣士を振り返った。
「まさか、女の方だったなんて──」
コハルと名乗った少女は、二人を案内して山道を歩きながらそんな質問をしてきた。
「するね」
「わあお! 凄ぉい! 本物だ!」
男が頷くと、コハルは瞳をきらきらと輝かせた。
「へえ。キミ、俺たちのこと知ってるんだ」
「そりゃ知ってますよ! 『一騎当千』のタイホウさんでしょ。戦場で、たった一人で千以上の兵を薙ぎ払うっていう。
さっきの、見てたんですけど……あれが『剣術使い』の技ですよね?
神通力なんてあたし、初めてナマで見ました!」
『一騎当千』のタイホウ。
コハルの言うとおり、それがこの銀髪紅眼の若者の名である。
先刻見せた彼の神通力──空間を裂き離れた敵を斬り伏せる力には、理論上防ぐ方法が存在しない。
いかなる剣でも捌くことができず、
いかなる防具でも防御不可能。
しかも複数の敵を一度に薙ぎ払える彼の力は、戦場において絶大なる効果を発揮し、
故に彼は『一騎当千』の二つ名で呼ばれている。
「タイホウさんが、こんなに若くてカッコイイ男の方だったなんて知らなかったですけど」
そう言って、ぽっと頬を赤く染めるコハルを見て、タイホウは嬉しそうなニヤニヤ笑いになる。
「そ、それに、目にも留まらぬ高速の剣の使い手『電光石火』のカミナルさん」
コハルは、二人の後を黙々と歩いている女剣士を振り返った。
「まさか、女の方だったなんて──」